休日しっかり休んでも、毎晩きちんと寝ていても、ゆっくりお風呂につかっても、
何をやっても、どうしても疲れがとれない・・・という方。
その疲れのとり方は、間違っているかもしれない。
◆体でなく脳が疲れてる? チェックリストで確認。
□ 毎朝、目覚まし時計やスマートフォンのアラーム音で目覚める
□ 毎晩、ベッドに入ると5分以内に寝つけ
□ 夏でも就寝時にエアコンを消す
□ いびきをかく
□ 集中力が高く、何かに没頭するとまわりが見えなくなる
□ 疲れたら栄養ドリンクをよく飲む
□ ノルマを決めて運動するようにしている
□ 仕事中、こまめに休むより、まとめて休みたい
□ 熱めのお風呂に長湯をするのが好き
□ 「今日だけタクシー」と思ってもがまんして歩く
(東京疲労・睡眠クリニック院長、梶本修身医師監修)
ひとつでもチェックがあったら、あなたは「体」ではなく「脳」が疲れているのだという。
疲労に関する国家研究プロジェクトに携わり、
抗疲労食薬および抗疲労環境の開発も進めている、
疲労研究のパイオニア、梶本修身医師はこう語る。
「『疲れる』のは、体ではなく自律神経であることをご存じでしょうか?スポーツをすれば、呼吸が早まったり、心拍が大きく上昇したり、汗をかいたりする。デスクワークでも、緊張したり集中力を高めたりする。このように、我々の行動では、自律神経がフル回転しています。私たちが感じる疲労は、すべて脳の自律神経の疲労だといえるのです」
その証拠に、運動による疲労も、デスクワークによる疲労も、徹夜による疲労も、
出現する症状は自律神経失調症と同じ
(全身倦怠感、頭重感、ふらつき、めまい、肩こり、むくみなど)だという。
「ちなみに、筋肉痛や、肩こり、腰のこわばり、さらに、目薬を差しても、ホットタオルであたためても、良くならない目の疲れも、自律神経からのアラームであることが明らかになってきています。根本から解決するためには、自律神経に働きかけないと意味がないのです」
自律神経の乱れを整えるためには、脳の疲れをとることが大切なのだが、
では、どうすれば、毎日正しく脳の疲れをリセットすることができるのか?
◆寝る前の1分で、脳の疲れをリセットする方法
梶本先生の著書『疲労回復の名医が教える 誰でも簡単に疲れをスッキリとる方法』では、
毎日疲れを翌日に持ち越さないために、
自宅で職場で、出張先で、簡単にできる疲労回復法を紹介している。
長年の研究から梶本先生が導き出した結論は、
脳の疲労を解消するのは睡眠のみだということ。
ただし、ただ寝るだけではだめで、求められるのは「よい睡眠」。
では、どうすればいいのか?
脳からすっきり疲れを取り去る「よい睡眠」をえるために、
この度梶本医師が考案したのが、「1分間すっきりストレッチ」。
寝る前にこのストレッチを行うと、
眠りを妨げる、いびき、血管のつまり、リンパ管のつまりが解消されて、
「よい睡眠」がえられる。そして、脳の疲れがすっきり解消される。
「1分間すっきりストレッチ」は、基本の3つのステップと、
プラスαの「舌ストレッチ」から構成されるストレッチ。
寝る前に、リラックスできる服装に着替えてから、ベッドや布団の上で行う。
<血管やリンパ管の詰まりをとって疲労感を解消する>
1.ベッドや布団の上で横になる。腕は、力を抜いて体の横に置く。
2. 両ひざを立てる。
3. 太ももを左右に開いて、左右の足の裏をぴったりつける。
そのままの姿勢で、10 ~15秒キープ。
4. ゆっくり太ももを閉じて、両ひざを立てた状態に戻す。
<寝返りの癖づけでいびきを防止、眠りを深める>
1.両ひざを立てた状態からスタート。
2.両ひざを一緒に、左側に倒します。このときはまだ、上半身は上を向いたまま。
3.右腕と一緒に、上半身も左側に倒す。
4.両ひざを立てた状態に戻したあと、右側も同様に行う。左右交互に3秒ずつ5回繰り返す。
<全身の関節を伸ばしてすっきり>
1.ゆっくり呼吸をしながら、両手を上に伸ばす。ひざを伸ばし、両足をまっすぐに伸ばす。
2.手首、ひじ、肩、首、腰、股、ひざ、足首といった関節部分を意識して10 秒キープ。
<舌とあごを動かしていびきを防ぐ>
1.「下あごと下くちびるをぐいっと前に突き出す→元に戻す」を3回繰り返す。
2.次に、舌を水平に前に出す。
3.限界まで舌を出しきったら、舌を上下に3往復動かす。
4.左右に3往復動かす。
※3つのSTEPとあわせて、あるいは、お風呂に入っているときなど、好きなタイミングで行う。
この「1分間すっきりストレッチ」は、
驚くほどぐっすり眠れ、脳からすっきり疲れがとれて、
気になる体の不調も改善されることだろう。