ひとりにつき650万円で承ります。ビジネスとして「殺し」を請け負う男、富澤。
仕事は危なげなくこなすが、標的の奇妙な行動がどうも気になる―。
殺し屋が解く日常の謎シリーズ、開幕。
連作短編集です。
殺し屋というと品のない怖い雰囲気の人を思い浮かべるけど…、
…違うんだなぁ! 主人公、カッコイイ!
殺し屋の表向きは経営コンサルタント、
愛する彼女もいるごく普通の男性です。
殺しの依頼は、名前・住所・写真だけで受ける。
そこからターゲットを調べ上げ、依頼を引き受けた場合は2週間以内に実行するというルール。
ターゲットの素性や行動を調べているうちに違和感を感じ、
それを解き明かしていくというようなお話。
依頼を受けてから実行に移すまでの過程がメインです。
依頼の仕事を持ち込むのは公務員の友人。
殺し屋の主人公とその友人の関係も素敵な友情で結ばれている。
殺し屋は常識で考えると犯罪者でいわゆる悪なんだけど…、
なぜか応援したくなる不思議な魅力のある主人公です。
頭が良くスマートでカッコいい。
ただ、彼の過去に何があったのか、どうして殺し屋になろうと思ったのか…知りたい!
相変わらず読みやすい文章で、サラッと読めて面白いのは作者の筆力でしょう。