さびれた商店街に花ひらいたランジェリーショップ、そこに出入りする人々の人生模様。
レースやリボン、小さな花柄の下着が、行き詰まった人間関係をほどいていく。
地方都市に生きる人々の屈託と希望をえがく短編小説集。
タイトルのなんとも言えないやわらかさ、
気持ちが華やかになるような表紙が素敵です。
タイトルの「シフォン・リボン・シフォン」ってなに?
それは……、
さびれた街にできたランジェリーショップの名前でした。
ショップのオーナーや訪れるお客の人生模様を描いたお話です。
親子の確執、介護やガンなどの病気、性同一性障害など…
日々様々な悩みを抱えながら暮らしている人たち。
家族というのは身近で最強な存在です。
ところが、お互い理解し合えないと厄介な存在にもなる。
他人なら断絶できるけど、家族は切っても切れないから。
親からの一方的な圧力、理解してもらえないやるせなさ…。
行き詰まった親子関係や満たされない思い、葛藤…。
そんな気持ちを、
「シフォン・リボン・シフォン」というランジェリーショップが、
やさしくほどいていきます。
素敵なランジェリーを身に着けると人知れずウキウキするという経験、
女性ならあると思います。
柔らかな優しさを持った文章です。
自分を大切にすること。
そして、他人を大切にし、
人を許すこと。
そうすることで何かが見えてくるかもしれない。